固体高分子形燃料電池(PEFC)向けガス拡散層(GDL)一体型金属セパレータの研究開発進捗のご報告

論文「中性子ラジオグラフィーを利用したPEFC内部の生成水イメージング」がElsevier社・『Journal of Power Sources』に掲載されました

この度、山梨大学及び大強度陽子加速器施設(J-PARC)と連名で寄稿した論文が『Journal of Power Sources』(Elsevier社)にオープンアクセス版として掲載されました。

(掲載URL: https://authors.elsevier.com/sd/article/S0378-7753(22)00268-3)

 

本研究は、J-PARCで保有する中性子ラジオグラフィーを利用し、発電中の燃料電池内部における液水分布の観察を実施したものです。この研究によって当社が山梨大学と共同開発した「固体高分子形燃料電池(PEFC)向けガス拡散層(GDL)一体型金属セパレータ」は効果的に液水の挙動を制御していることが確認され、当社開発品の高い発電特性発揮の要因を定量的に実証することに成功いたしました。

今回の実験結果は燃料電池発電特性と発電時に生成される水の滞留状態の関係を究明し、更なる燃料電池の高出力化実現に向けて非常に有意義なものです。

また、当該分野において高い文献引用影響率(インパクトファクター)を持つ学術誌上で論文掲載されたことは当研究開発の内容と成果を国内外において広くお報せし、事業化に向けた取組みを加速させるものと考えております。

 

【開発セパレータ】

  • 従来構造では発電時における生成水の滞留がガス拡散を阻害し、発電特性を低下させる要因となっていたが、当社開発セパレータはガス拡散層(GDL)に流路を形成することで生成水の滞留を防ぎ高ガス拡散性を実現。

 

【研究内容】

  • J-PARCで保有する中性子ラジオグラフィーを利用し、発電中の燃料電池内部における液水分布の観察を実施。
  • 当社開発品が流路内の生成水滞留を効果的に抑制し、高発電特性、高安定性をもたらすことが実証された。