「水素燃料電池主要部品ガス拡散層一体型金属セパレータ」の研究開発について

当社は山梨大学の発明特許に基づき、同大学との共同開発により PEFC(固体高分子形燃料電池)用の新型セパレータの開発に成功したことを2015年2月18日にお知らせいたしました。

セパレータとは、水素と酸素の化学反応を利用してつくる燃料電池スタックの基幹部品です。

 

2017年には、同大学が主導し当社が参画する「水素社会に向けた『やまなし燃料電池バレー』の創成」事業が文部科学省の支援施策である「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に採択されました。

この事業は山梨県との連携のもと、同大学の保持する世界でも有数の燃料電池の研究成果に県内企業の持つ製造技術を融合し、新たな燃料電池スタック及びシステムを創出し実用化及び量産化を図るものです。

当社がこの事業において担当しておりますガス拡散層一体型金属セパレータの研究は、低コスト化及び小型化を図る上での重要な要素の一つです。

固体高分子形燃料電池(PEFC)のガス拡散層(GDL)とセパレータは、通常の使用でもスタックコストの1/3以上を占めます。

その比率は量産段階においては更に上がってくることが予想されており、より安価で高性能な部品の開発が求められています。

山梨大学と弊社では低コストの製造技術を用い、反応物であるガス及び生成物である水を面内で均一に輸送する為の構造を開発しました。その構造はGDL内に櫛型流路を配置し強制的な伏流を発生させることで実現します。

2019年9月30日には、山梨県及び山梨大学と産官学一体で連携し推進する「水素燃料電池の主要部品である、ガス拡散層一体型金属セパレータ」の研究開発及び製造ラインの確立(以下、「本プロジェクト」)のための資金を、グリーンローンで調達いたしました。

水素に係る研究開発等を資金使途としたグリーンローンの調達は、国内では初めてであり、世界でも類を見ない取り組みです。

本調達にあたっては、国際資本市場協会(ICMA)が定める「グリーンボンド原則」、ローンマーケット協会(LMA)及びアジア太平洋地域ローンマーケット協会(APLMA)が定める「グリーンローン原則」に則り、「グリーンファイナンスフレームワーク」を策定し、その適合性を担保するため、第三者機関である株式会社日本総合研究所より、「セカンドパーティ・オピニオン」を取得いたしました。本フレームワークの策定にあたっては、株式会社三井住友銀行より支援を受けております。

本プロジェクトは、当社が山梨県・山梨大学と協働で「水素燃料電池の主要部品である、ガス拡散層一体型金属セパレータ」の研究開発、製造、実用化により、安価で高品質な水素燃料電池スタックの普及を目指すものです。

当社は創業以来、半世紀にわたりものづくり一筋に取り組み確立した当社の技術を土台に、新たな水素燃料電池スタック及びシステムを創出し、電源及び水素燃料電池自動車等への展開により、環境に配慮した水素社会の実現へ貢献して参ります。

 

■SDGsとの関連性について

SDGs_7

  • 改良型水素燃料電池の製造・研究開発・実用化による、安価かつ環境に配慮したエネルギーの普及

 

SDGs_9

  • 改良型水素燃料電池の製造・研究開発・実用化による、安価かつ環境に配慮したエネルギーの普及

 

SDGs_13

  • 改良型水素燃料電池の製造・研究開発・実用化による、安価かつ環境に配慮したエネルギーの普及

 

SDGs_17

  • 山梨県、山梨大学等と共に、産官学連携による水素燃料電池の研究開発の推進
  • 政府(文科省)も本水素燃料電池の研究開発を支援